(浦瀬駅)
わづかな乗客を
乗せた電車は、
こころなしか、
かすれたような
タイフォンを残して
発車していった。
さっきまでの雲は晴れ
陽が差していた。
(浦瀬駅にて)
車掌さんが
各車両を
まわって行く。
長年、
苦楽を共にした
電車とも、
分かれの日が近い。
ホームを
一歩一歩
踏みしめるように、
ゆっくり歩いてゆく。