撮影後記
上越線の夜行に乗るとき、長岡駅で見える軽便電車がいつも気になっていました。
当時は、尾小屋鉄道が健在で、まさか栃尾線が先に廃止になるとは思っていません
でした。
そうしたことから、訪問は廃止間際の一度だけとなってしまいました。
当日は廃止の3日前にもかかわらず、マニアの方々の数も少なく、始発頃に何人か
カメラを担いだ人がいましたが、それぞれ思い思いのポイントに散っていった後は、
ほとんど見かけませんでした。
春はまだ浅く、越後の山々には雪が残り、田圃にも所々雪が残っていました。
長岡駅では廃止後の跡地の利用などについて会社の人たちが打ち合わせをいておら
れたのが印象に残っています。
長岡〜悠久山、上見附〜栃尾間は既に廃線となっており、長岡〜上見附間だけが、
最後まで残っていました。
沿線はほとんどが田圃で、軽便としては立派な電車が走っていました。
また、単行は無く、サハを入れた4連が走っていました。
どの駅も、電車が出て行った後は人影も少なく、ひっそりとしていました。
夜になるとマニアの影も無く、終点の上見附も人影はありませんでした。
一日、沿線を回り軽便鉄道の雰囲気を楽しみましたが、なぜか、最終日の
お別れ列車を見る気にはなれず、夜行で帰ったことを思い出します。
今回は、岡山の下津井電鉄、三重の近鉄のナローと共に新潟に残っていた電化軽便
の越後交通栃尾線の末期の姿を特集いたしました。
当時の、軽便鉄道の姿を偲んで頂ければ幸いです。
最後までご覧いただき、有難うございました。
2002年5月17日 記 平山
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